薄いピンク色花フウラン
フウランの花
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「フウラン(風蘭)について」
牧野植物図鑑によりますと、フウランの名の由来は、漢名「風蘭」の音読みによるとあります。
高木の幹・枝に着生し、ひと際、風を好むランとも言えるフウランにふさわしい名前だと思います。
どこか「風流」にも通じるところが感じられます。
フウランはラン科の着生ランで、単茎種・多年草に分類されます。
単茎種はカトレア等のように次々と新しいバルブを発生させて生長するラン(複茎種)に対して、1本の茎の先端(生長点)が新葉を繰り出すことによって伸びていき、伸びていく芽の先端は枝分かれもしません。
子株は親木の下方の葉腋から生じて、新しい生長点が生まれます。
生長点は先端の芽の中芯にあり、次々と細胞分裂を繰り返しています。
1本の茎は半永久的に生長を続け、原理的には管理が適正であれば、その1本は何百年でも枯れることはありません。
樹木は年数を経て大木となりますが、それでも何百年という単位の寿命があります。
フウランは子株こそ増やしますが、親木は何十年経ってもある程度一定の大きさを保ち、必要以上の葉数と根数を保持することはありません。
フウランの葉は肉厚で非常に硬く、1年間に出す葉は、1条当たり2〜3枚、根も同様に2〜3本です。
また、それに近い数の葉と根が古くなって枯れていきます。
1条当たりの葉の数からみて、根や葉の寿命は5年前後といえます。
フウランの生長を見ていると、あくせくとすることもなく、ゆっくりとマイペースであっても、まさに不老不死の活動力と生命力を感じさせます。
不老不死の植物であれば、野山は生長を続けるフウランだらけになりそうなものですが、自然界は厳しく、大株となったフウランの着生した大木もいつかは倒れ、地面に落ちたフウランも枯れ死します。(たまたま断崖の岩上のような風通しのよい所に落ちれば、生き延びるものがあるかも知れません。)
草や木の成長スピードにとても及ばないフウランはかくして野山に大量にはびこることもありません。
実際はフウランの発芽や生長に必要なラン菌(互いに養分吸収能力を使って共生しています。)が自然界に豊富でないことも原因となっているかも知れません。
フウランの生長速度、繁殖率の低さが希少価値を生み、我々の興味をより大きくさせてくれます。
近代になって園芸が一般的になると、山野の希少植物は採集され続けて、今では自生のフウランを見つけることはほとんどありません。
牧野植物図鑑によりますと、フウランの自生地は本州中部以西と記載されていますが、静岡県に住む私が30年以上前から山野を探してみることもありましたが、自生は一度も見たことがありません。
フウランにとってある意味で幸運であったことは、この30年ほど前(昭和後期)から無菌播種が開発公開されたことではないでしょうか。
このことによりフウランの中のさらに希少種である
富貴蘭
は購入しやすい価格になり、より多くの人に園芸として楽しみやすい対象になっていると思います。
フウランの花は小さくても草姿とバランスがとれており、派手ではありませんが良い形の花とその香り、整然とした葉姿、着生ランという形態、むき出しでも鑑賞に堪える根等は秀でた素質と言えます。
さらに富貴蘭に見られる花形、花色、葉の紋様、葉の形等々の多様な変化はその品種固有の「芸」と言われて、古来から園芸好きな人々の興味を惹きつけます。
フウランは着生ランであるために、初めて育てる人には水のやり過ぎになってしまうことが栽培が難しいようにみられる最大の難点ですが、そのことに注意すれば管理が楽でとても強健な植物と言えます。
その難点を逆の視点で捉えれば、元々乾燥に強い性質を持つ着生ランの水やり回数は、栽培する方の条件を考慮して、植え方と置き場所の設定方法により加減することができます。(当園ではほぼ無加温フレーム内の管理ですが、真夏を含めて春〜秋は5日に1回、冬は10〜15日に1回の水やりペースです。)
会社勤めで多忙を極める方々にとっても、フウランの栽培は可能だと思います。
コンパクトな株の大きさは手近に見るのに良く、畳1枚のスペースに100鉢近く置くことも可能といえ、栽培面積をとらないのも利点の一つです。
フウラン・富貴蘭の育て方については下記をクリックしてください。
水苔植えフウランの育て方
水苔植え富貴蘭の育て方
ヘゴ着け風ランの育て方
(ご購入品には育て方を添付してありますので、ご参考にしてください。)
自宅にある柿の木に約15年前から人工着生しているフウランです。(時々、花だよりに登場しています。)
真夏以外はほとんど水やりもしません。
自生している姿は見たことがありませんが、このような感じで高い広葉樹の幹や枝に張り付いて生活していることと思います。
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