2024年4月分
クンシランの花と葉芸・浜名湖花博2024の開幕
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2024.4.7 クンシランの花と葉芸・浜名湖花博2024の開幕
今年は3月の厳しい寒気により、桜の開花も10日以上遅れて咲きました。
春を待ち望む気持ちも例年に増して強くなります。
また、温室フレーム内では、クリスマスローズの花も終わり、クンシランが咲いています。
春の花々に先駆けて咲くクンシランは、花の豪華さとともに、葉芸も楽しめます。
そんな中、静岡県浜松市では、3月23日から6月16日(浜名湖ガーデンパーク会場では4月6日から6月2日)までの間、浜名湖花博2024が開催されています。
2004年の浜名湖花博(しずおか国際園芸博覧会)から10周年の2014年浜名湖花博を経て今回は20周年を記念して催されています。
花博の会場は、浜名湖沿岸の2会場で開催され、実行委員会では両会場で合わせて95万人の来場者を目指しているとのことです。
その一つ、はままつフラワーパークでは、30万平方メートルのパーク内に3,000種類の植物が植えられ、4月初旬頃までは桜とチューリップの競演が楽しめます。
その後は八重桜とフジ、5月はバラ、6月はハナショウブやアジサイと景色が変化していきます。
同じ浜名湖岸にある浜名湖ガーデンパーク会場(56万平方メートルの敷地内に5,000種類の花木)では、春のネモフィラ畑から始まり、体験型デジタルアートや世界的庭園デザイナーによる新庭園が見られます。
ぜひ、多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。
フラワーパーク会場ではパーク内の大木に着けた風蘭もご覧いただければ幸いです。
はままつフラワーパーク会場の案内図です。
詳しくはこちらから浜名湖花博2024公式サイトをご覧ください。
はままつフラワーパーク会場における各種のイベント情報です。
浜名湖ガーデンパーク会場の案内図です。
浜名湖ガーデンパーク会場につきましても、詳しくはこちらから浜名湖花博2024公式サイトをご覧ください。
なお、両会場間は混雑がなければ車で30分掛からないほどの距離ですが、会場が広いためご年配の方や小さなお子様連れの方は、1日で両方入場するより別々の日に入場した方が良いように思います。
今が盛りと咲くクンシランの典型的な橙色の花です。
1輪でも直径6〜7cmの大きな花ですが、古大株になると1花茎に20輪以上の花を直径約30cmに近いボール状に咲かせます。
一般的な橙色の花ですが、よく見ると花弁の切れ込みの深さや、包み咲き状のもの、色の濃淡などが見られます。
切り花としても使えて、特に斑入りは観葉植物としての価値も高いです。
極めて耐陰性が強く、室内で育てられますが、逆に直射日光では葉焼けを起こします。
クンシランを室内で育てるときは、レースのカーテン越しでも薄手のカーテンでは明る過ぎる場合があります。
クンシランは、アフリカ南部に分布するヒガンバナ科クンシラン属の多年草です。
ラン(君子蘭)と名前につきますが、ラン科ではなくヒガンバナ科の植物です。
日本には明治時代にヨーロッパを経由して渡来し、古典園芸植物として広く普及しています。
太い根と肉厚の葉に水分を蓄えるため、乾燥に耐え過湿を嫌う性質です。
氷点下の低温や霜には弱く葉枯れを起こします。
茎は風蘭と同様の単茎種で、数年に一度の植え替えをすれば長寿命の植物です。
古大株として持ち込めば、毎年輪数の多い豪華な花を咲かせます。
古典園芸植物とされたのは主に斑入り種と思われますが、肉厚幅広の艶のある葉に縦縞が冴える縞斑入り種は鮮やかで見ごたえがあります。
写真は30年以上持ち込んだ株で、交配親に使っています。
昨年交配を試みた花茎が2本残っていますが、昨年の結実は1個のみでした。
果実は直径1〜2cmの球形で、晩秋に赤黒く熟します。
発芽率は良いのですが、縞斑入りの出現は少なく、櫛目のような縞斑はほとんど現れません。
ごくまれに覆輪が出現しますが、率にすれば種子千個に1本くらいと思えます。
力のある株は写真のように1本の株から2本の花茎を出すこともあります。
ある程度の寒さに当たらないと花芽が付かないと言われ、花芽をつくる時期は5〜10℃のやや涼しい場所に置くと良いようです。
この写真は紺覆輪中透け縞斑入りです。
紺性強い紺覆輪葉に薄黄緑色の中透け縞斑が入ります。
紺覆輪中透け斑は全ての葉に入り、実生でも紺覆輪中透け斑が出ているため、固定性のある斑入りと思われます。
写真の株は2〜3枚の葉に白みの強い細糸縞が混じります。
薄黄緑色の中透け縞斑の中に白縞が混じって入る3色斑(三光斑と言われます。)になることを期待します。
紺覆輪中透け斑は、斑が鮮明なものと地味な斑のものがあります。
地味柄はある程度の鉢数ありますが、鮮明なものは数鉢です。
この株は地味柄な中透け斑です。
上写真の株で地味柄ですが、全ての葉に中透け斑が入っています。
20年くらい前からある実生覆輪株です。
クンシランの交配実生は暇な時を見て30年以上やっていますが、覆輪斑が出たのは多くても5本以下です。
派手な覆輪斑は生長も極端に遅く、写真の株に花は一度も咲いていません。
採光にも気が抜けず、葉縁の白色部は枯れ込みやすいです。
少し派手柄の縞斑入りです。
覆輪・中透け・縞と何でもあるかのような斑入り株です。
特に縞斑の株は、縞の入り方が葉の1枚ごとに千差万別で、縞斑ならではの味わいがあります。
良く整った縞が、全ての葉の全面に入ることは極めて少ないです。
写真の株は、整然とした縞柄の株とは言えなくても変化があって面白さを感じます。
自宅道路沿いの柿の木に着けたセッコク交配種です。
着けてから2年ほど経過し、まだ針金を外してありませんが活着している状況です。
当地の最低気温は寒い年でマイナス2,3℃と冷え込みは厳しくはなく、稀にマイナス5℃くらいまで下がることがあります。
セッコク交配種は木や花の大きさからデンドロビウムの遺伝子が入っていると思われますが、当地の冬は柿の葉が落ちた寒風の中、樹上で乗り越えています。
淡色のセッコク交配種です。
柿の木に着けたセッコク交配種の下方にある風蘭は、目の高さにあって見やすいのですが、セッコク交配種は手を伸ばしてやっと届くくらいの位置に着いています。
セッコク系のランは日光を好むため、柿の葉にある程度覆われますが、あえて高い位置に着けました。
こちらはピンク色花が濃色のセッコク交配種です。
写真は柿の木の枝を避けて脚立の上から撮影しています。
4月に入って暖かな日もあり、柿の新葉が展開するのに合わせて花を開かせました。
セッコクの園芸品種「金山金剛」のヘゴ着けです。
長生蘭と呼ばれる園芸品種のうち金山金剛はポピュラーな品種で、中透け縞斑の葉に薄ピンク色の花を咲かせます。
ヘゴに着けてから1年経過した状態ですが、株はヘゴに活着しています。
セッコクは根が細い分、多数の根を出しますので、風蘭よりも活着が早いです。
多くの花を付け、新芽も多数出ています。
セッコク系のランは採光を多く採るため、3月末から12月までの間は屋外栽培、冬季は無加温の小フレーム内(最低温度はマイナス1〜2℃)です。
4月ともなれば植物の冬の休眠も終わり、生き返ったように生長活動が活発となります。
今年やりたい園芸作業なら良いのですが、やらなければいけない作業も山積しています。
後期高齢者となって自分の身体と同様に古くなった温室フレームの修繕も必要で、身体が健康で動けるうちにやらなければと思っています。
そういう作業と違って園芸作業は年齢を重ねても飽きることはなく、色々と想像しながらの作業は楽しいものです。
植物を深く知ることなど到底不可能ですが、日々小さな新しい発見や植物の性質などを知ることで生きていく力を得ている気もします。
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